夜中すぎ、キッチンのテーブルで、蜂蜜をなめる。
気分が悪くて食事を摂らなかったのだけど、ひと眠りして突然ぽっかりおなかがすいたので。
おなかが減る(というか低血糖でふらふらする)、でも変な時間に食べても胃が痛くならないもの、という選択の帰結で蜂蜜。
甘くて、とろりとして、花の匂いがする。いい匂い。
これは、サマルカンドに行った時に買った「山の蜂蜜」だ。
ウズベキスタンの人は、「山の」に弱い。「山の林檎」「山の蜂蜜」「山のらくだ乳」。山に続く道の、びゅうびゅう車の通る脇で、自慢げに売られている。街のバザールで、「これは山の蜂蜜だからおいしいよ」と勧められる(普通のよりちょっと高い、当然。)。休暇で故郷に帰った友達から、とくべつな「おみやげ」としてもらう。とにかく「山の」にはぐっとくる。
だからうちの蜂蜜は、断然「山の蜂蜜」。
それにしても。夜更けすぎのダイニングテーブルで、ひとり蜂蜜。お前はプーか、とひとりぶつぶつ思いながら、蜂蜜を溶かして、あまいお湯も飲む。あまくて、あたたかい、の幸福感。おなかが、あたたかい。しあわせ。
そして、眠い。泥のように。
冬眠しちゃうのか。
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