ここでは、まだ、熱がよく出る。
身体が未知のバクテリアに適応しようとしているせいだと思う。寒くてぶるぶるぶるぶる、となって、おかしいな、と思ったていたら、突然おめでたいくらいに熱い。あたまが、熱いよう。と声に出してみる。程よく浮かれている。で、欠勤決定。電話する。いいの、昨日で、やまは超えたのだ、がんばらなくてもいいときには、断然、がんばらない。
食べものも、飲みものも、たっぷりある。薬だって、昨日、日本から来たドクターに、いっぱいもらったところ。外は雨で、ひたすらに眠い。そのまま、きゅうっと眠る。昏々と眠って、時々起き上がって、水を飲む。あまりの眠気に、笑うくらい。それでもメールをいくつかする。心配した職場の友達も、SMSをくれる。こういうのって、やっぱりうれしい。夕方、意を決して階下に水を買いにゆく、ほかほかのリピョーシカもあったので、それも買う。そしてりんごジュース。キッチンで、蜂蜜とリピョーシカを齧る。も、眠くて、顎が動かない。お茶を半分飲んだところで、ふと立ち上がると、寝室のベットが目に入って、そのままもそもそと、明かりもつけたまま、服も着たまま(もちろんお風呂も歯磨きもまだ)で、そのまま眠る。ぷつん、と寝付く。
目が醒めると、明るかった。鳥があいかわらず、ぎゃあぎゃあと鳴いている。切れ切れの夢、それにあまりにもたくさん(たぶん20時間以上)眠ったものだから、何がほんとうで何が夢なのかの境界がつかめずに、暫くぼうっとする。もう朝だ。で、お風呂(熱いやつ)に入って出勤。あまりに眠く、お化粧なし、香水だけつけて(病人って、くさくない?)、一日働く。ほどほどに暇。これからの仕事で、やりたいこととか、できそうなこととか、できなさそうなこととかを、やんわり考える。
お昼、ごはんを一緒にとっていた友達(同じく単身在外生活)に、「ひとりで夜とか、何をしてる?退屈じゃない?」と聞かれて、うーん、と考える。一人遊びは得意なのだよね、昔から。考えごと、脳内翻訳、映像を思い出す、そんなことをしながら、ぼうっとお茶を飲んだり。いくらでも、していられる。飛行機の、12時間ぐらいは、得意よ。家であれば、手紙を書いたり(時々、だいじな友達には、とんでもなく長い手紙を送りつける)、本を、読んだり。ああ、これがいちばん多い。タシュケント生活で、思いがけなく豊富だったものは、水(毎日お湯をためてお風呂に入れる)と、本。大使館には小さい図書室があって、めいめいがばらばらに置いていった脈絡のない、でも時に妙にマニアくさいコレクションがあるし、「日本センター」まで行けば、ODAで作った立派な日本語の図書館もある。街の本屋には、ロシア語、英語の小説もたくさんある。それをたっぷり享受して、ごはんと同じように、摂取するみたいに、本を、読んでる。
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